カルト幹部体験記 第5話 断薬、そして仲直り(第1話はこちら) 弟がKに強引な勧誘を受けていらい、わたしはKのことが嫌いになった。そして彼からもらった冊子「日蓮大聖人に帰依しなければ日本は必ず亡ぶ」も処分した。 これはもう理屈なんかじゃない。 その後まもなく、わたしにとって人生最大の転機の一つが訪れる。...
カルト幹部体験記 第4話 好感転じて嫌悪感となる(第1話はこちら) 1997年7月16日にあの「日蓮大聖人に帰依しなければ日本は必ず亡ぶ」と題した冊子が届いて以来、心のどこかで、Kが所属している団体は何かいままで接してきた団体とは違うのではないか、という気持ちが沸いては消える。...
カルト幹部体験記 第3話 1997年7月16日(第1話はこちら) 初めてKの勧めで「勤行」を試してから、5ヶ月ほど経った。あれ以来、わたしの記憶に残っている範囲ではKから連絡はいっさい来ていない。 「勤行」を試した帰りの道中、KとAさんから「勤行」を朝晩続けてみよう、と言われたが、わたしは丁重にお断りしていたのだ。一回...
カルト幹部体験記 第2話 入信(第1話はこちら) 車に乗り込むと、Aさんが声をかけてきた。「たぶんここから30分くらいで着くと思うよ」 「どのへんまで行くんすか?」 「航空公園って知ってる?」 「ああ、あの飛行機があるところですよね」 「そうそう。その近くだよ」...
カルト幹部体験記 第1話 出会い「とりあえず一回ためしてみない?」 「はい、いいっすよ」。わたしは何の躊躇もなくそう言った。 ――6時間ほど前 ようやく連絡がきた。1997年2月1日、当時18歳だったわたしはそう思いながら待ち合わせ場所の東久留米市中央公民館へと自転車で向かっていた。ずっと一緒にスケボーを...
良いか悪いかなんてわからないある日、ある農民の馬が逃げてしまいました。 それを知った隣人は言いました。「うわー、馬が逃げちゃうなんて最悪だね」 農民は言いました。「どうだろうね」 数日後、その逃げた馬が、野生の馬を数頭引き連れて帰ってきました。 それを知った隣人は言いました。「おお、すごい! 馬が増え...