カルト幹部体験記 第43話 浮き彫りになる暴力体質
- Shannon N. Smith
- 2018年4月26日
- 読了時間: 3分

(第1話はこちら)
「大草(妙観講、講頭)呼んで来い!」浅井克衛男子部長をはじめとした顕正会男子部の中枢幹部が、妙観講本部の玄関に居座り、わめき散らす姿がスクリーンに映し出される。
Y部長のすすめで、顕正会男子部が妙観講本部に乗り込んできたさいのビデオをわたしは食い入るように見る。
顕正会の暴力的体質が次々と写されていく。
机を挟んで男子部長と妙観講の人が『法論』する。
「こんな勝手なことばかりやりやがって! 罰あたるぞ! アル中になる。血を吐くようなことでは済まないぞ。池田大作のような大罰を食らうぞ。よーくこれを命に叩き込んでおけ。わかったか? お前らのような誑惑が通用するわけがない。大罰が出る。お前は再起不能になる。椎間板ヘルニアとか網膜がはがれる、なんてどころじゃ、お前すまなくなるよ。失明するだろ。なあ。血をどんどん吐くだろう」。男子部長は、延々と相手を責め続ける。仏法の法義的な話はほとんど出ない。
顕正会本部会館(現東京会館)付近で怒号をあげながら、妙観講員を追い返す男子部長を先頭とした、男子部。
大草講頭と電話で話す、浅井先生。
終始、池田大作氏や細井日達上人を訂正させた自分はいかに凄く、妙観講など相手にしてないと言い続け、それに対して大草講頭が少し煽ると、電話の切り際に「男子部を派遣してやる。逃げるんじゃないぞ」と言う。
その一週間後には、実際に男子部60名ほどが妙観講本部を襲撃し、暴力をふるう。
顕正新聞では、妙観講が暴力を振るってきた、と真逆のことを書いている。
こういった内容が延々と続く。
顕正会の暴力的体質をすでに知っているわたしにとっては、過激な行動などに関しては、特に驚かなかった。
ただ、浅井先生の大草講頭に対する電話での態度には、若干だが、嫌悪感を覚えた。
まもなく、ビデオを見終わると、Y部長が声をかける。「どうでしたか?」
「まあ、結構面白かったです」。わたしは素直に感想を述べた。確かに、見ものとして、面白かった。
ここからわたしたちは本題に入った。
日蓮大聖人の御遺命から偽本尊疑惑。
御遺命に関しては、やはりY部長から詳しい話を聞いても、顕正会に分があるように聞こえた。しかし、偽本尊疑惑は反論できない。
そして、わたしは、そもそも顕正会の教えを確信するに至った、直接の原因である、成仏の相について聞いてみた。日蓮正宗ではあるのか、と。
「ありますよ」。Y部長は当然のような顔をしていう。「なんなら、見てますか?」
「えっ、成仏の相が見れるんですか?」わたしは驚きを禁じ得ない。
(第44話へと続く)
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当ストーリーはファウンダーであるShannonが実際に体験したノンフィクションです。そのため人名等は伏せています。記憶を頼りに書いていますので、万が一記憶違いなどがあった場合、すみやかに訂正します。Shannonは特定の宗教やカルトに現在属していませんし、信仰を勧めているわけでもありません。彼の体験をそのまま語ることが誰かの役に立てば、との思いで書いています。
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