カルト幹部体験記 第37話 『顕正会からの脱出』
- Shannon N. Smith
- 2018年3月16日
- 読了時間: 3分

(第1話はこちら)
数日前に『顕正会』と検索した際にヒットした『顕正会からの脱出』というホームページのことが、頭から離れない。
あの日は、あまり時間がなかったため、きちんと目を通すことができなかった。
しかし、今日は違う。『顕正会からの脱出』を読むための時間をたっぷりと取った。
あの『下野正信』とかいう、顕正会元本部職員にして、現在は日蓮正宗信徒を名乗るものの正体が気になる。
どうせ出鱈目野郎に違いない。が、今後、後輩が読んだりして惑わされる可能性のあることを思うと、しっかりと自分で確認しておいたほうがいい。
トップページから、『下野正信』が書いたであろう、内容を読み進めた。
次に時計を見た時には、深夜2時を回っていた。読み始めたのが、昼過ぎだったはずだから、12時間近く読んでいたということである。
途中何度かたばこを吸いにベランダに出た記憶はある。また、夕方の勤行もした。が、心があまりに動揺していたため、時計を見ようと思わなかった。それどころか、母親が夕飯の支度ができたといっても、後で食べる、と言って、断っていた。
これはマジでヤバイかも。
頭の中で何度もその言葉がこだましていた。
いやいやいや。マジかよ。
『下野正信』という人物はほぼ間違いなく、本当に顕正会元本部職員で、本当に現在は日蓮正宗の信徒であることは、少し読み進めただけで分かった。
内部に精通したものでないと、知らないはずの内容の、オンパレードだったのだ。
何よりも衝撃だったのは、浅井先生は言っていることがコロコロ変わっているという事実を、先生自らの指導を引用しながら論証していることだった。
常に、日本は今まさに滅びそうで、いついつまでに「百万を必ず達成する」と言っては、なんの説明もなしに先延ばしにしたりしていること等々。
いや、それはもちろん目標を達成できなかったこと自体は、特に取り沙汰するほどのことでもない。
ただ、解せないのは、説明が一切ない点である。
毎回新しい目標を立てるときには、まるでその時に初めて立てているかのようなしゃべり方をするのだ。
加えて、『一国広布の出陣式』に至っては、二度も執り行っているのに、二回目の時も、まるでその時が初めてのような口調で語る。
こういったことを、文書だけでなく、音声データも用いながら、論証していた。
わたしにとって浅井先生は絶対である。しかし絶対であるはずの先生が、どうも絶対ではなさそうであることを、ありとあらゆる角度から『下野正信』は論ずる。
わたしの中の何かが崩壊しそうになるのを、ぐっと堪えているうちに、その日は気づいたら眠りについていた。
(第38話へと続く)
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当ストーリーはファウンダーであるShannonが実際に体験したノンフィクションです。そのため人名等は伏せています。記憶を頼りに書いていますので、万が一記憶違いなどがあった場合、すみやかに訂正します。Shannonは特定の宗教やカルトに現在属していませんし、信仰を勧めているわけでもありません。彼の体験をそのまま語ることが誰かの役に立てば、との思いで書いています。
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