カルト幹部体験記 第28話 深まる疑念(その2)
- Shannon N. Smith
- 2018年1月12日
- 読了時間: 2分

(第1話はこちら)
調べれば調べるほど、顕正会が用いている仏滅年代は史実ではありえないことを裏付ける情報ばかり出てくる。
いやになってきた。
まさか顕正会が間違っているのでは? いや、成仏の相があるのだから、何かしら説明がつくはずだ。
少し違った角度から調べてみよう。
要するに問題は、日蓮大聖人が生まれた時代が末法であるかどうかだ。
末法であることを決定づけているのは、正像末の三時だ。これについて調べてみよう。
わたしはパソコンで正像末の三時を検索した。
出た。
なるほど。やはりそうか。正像末の三時そのものにも諸説あったんだ。
正法千年あるいは、五百年。像法千年、あるいは五百年とする説があった。
きたー。つまり、正法五百年説をとれば、すべての辻褄が合う。現在わかっているインド史と中国史、さらにアレキサンダー大王が残した記録ともすべてがマッチする。
こういうことか。
でも、待てよ。そしたら最初から顕正会でもそう教えればいいのに、はっきりと釈尊(ブッダ)の入滅を紀元前949年と定めている。
うーん。スッキリしない。
この仏滅年代に関しては、少し調べれば、顕正会の言っていることには歴史学的根拠がほとんどないとわかるのに、なぜだろう。
この時わたしは、初めて顕正会に対して、正直でない何かを感じた。
わたしはこの疑問を心のうちにしまっておくことにして、Kを含め誰にも話さないことに決めた。何か触れてはいけないもののような気がしたのだ。
この疑問を打ち消そうと、さらに激しく活動に没頭するようになったのだが、この頃から、入信者の数が伸び悩むようになった。
それはそうだ。わたしの確信が揺らぎ始めていたのだから。
そしてことあるたびに、やっぱり顕正会の用いている仏滅年代が正しかったという根拠が見つからないかと、ネットで検索するようになった。
すると2001年の中頃のある日、今度はまた別の視点から顕正会の教義に疑いを持つような情報に接することになった。
(第29話へと続く)
--------------------------------------------------
当ストーリーはファウンダーであるShannonが実際に体験したノンフィクションです。そのため人名等は伏せています。記憶を頼りに書いていますので、万が一記憶違いなどがあった場合、すみやかに訂正します。Shannonは特定の宗教やカルトに現在属していませんし、信仰を勧めているわけでもありません。彼の体験をそのまま語ることが誰かの役に立てば、との思いで書いています。
Comments