カルト幹部体験記 第25話 支隊副長職拝命
- Shannon N. Smith
- 2017年12月22日
- 読了時間: 2分

(第1話はこちら)
2000年7月26日。昨年末より務めていた班長職より一つ上の位である支隊副長職を拝命する日がやってきた。
班長職を拝命して以来、わたしは文字通り寝食を削り活動に没頭してきた。一日の平均睡眠時間は2~4時間。少ないときは15分という日もあった。
起きている時間のすべてを活動と、一度辞めると言って戻った大学と、活動費を稼ぐためのバイトに費やしていた。(ちなみに第10話で少し触れた、役者になる、という目標は、活動を始めて早々、役者を目指している場合じゃねぇ、と言ってやめた)
遊ぶ時間はゼロに等しかった。
これは別に遊びたいのを我慢してそうしていたわけではなく、遊んでいる場合ではない、と思っていたからである。
わたしが在籍していたころの顕正会では、支隊副長以上の役職を持つのは、簡単ではなかった。現在はどうだか分からないが。
なるには、班長としての務めを果たすのは当然のこと、さらには支隊長が不在のときにはその代わりを務められる器や責任感、そして、言うまでもなく顕正会に対する確信や情熱が不可欠である。
そんな副長職を拝命することが決まり、わたしは今までにも増して、折伏(勧誘)を進めていく決意でいっぱいだった。
総幹部会終了後の隊の集まりで、隊長から、副長辞令をいただく。
『辞令 シャノン・スミス 男子部第一●隊 支隊副長に任ずる 平成十一年十一月二十九日 冨士大石寺顕正会 会長 浅井昭衛』
辞令にはそう書かれていた。
また、時同じくしてKは支隊長になった。
わたしはK支隊の副長として、班員と、さらにはその後見ることになった班長らを率いて、さらに顕正会の活動に没頭していった。
順調に数字は伸びていき、わたしは使命感に燃えていた。
その時は夢にも思わなかった。同年の暮れ、大学のある授業がきっかけで、わたしは初めて日蓮大聖人の仏法の教義に対する疑いを持つことになるなんて。
(第26話へと続く)
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当ストーリーはファウンダーであるShannonが実際に体験したノンフィクションです。そのため人名等は伏せています。記憶を頼りに書いていますので、万が一記憶違いなどがあった場合、すみやかに訂正します。Shannonは特定の宗教やカルトに現在属していませんし、信仰を勧めているわけでもありません。彼の体験をそのまま語ることが誰かの役に立てば、との思いで書いています。
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