カルト幹部体験記 第16話 組長職拝命
- Shannon N. Smith
- 2017年10月19日
- 読了時間: 3分

(第1話はこちら)
日曜勤行に参加し、その後、常盤台公園で待っている隊長のもとへ、Kとともに向かった。
組長辞令を受け取る日がついに来たのだ。
遠くからわたしたちの姿を発見した隊長は、大きな笑顔で嬉しそうに手をふってきた。
「おお、シャノン君。よく、きたね」。相変わらず明るく、力強さがみなぎる声だ。「今日はね、シャノン君のほかにもう一人組長になる人がいるんだ」
隊長がそう言うと、横からS君が、どうも、と挨拶をしてきた。年齢はわたしより一つか二つ下だが、見た目はほぼ同い年くらいに見える。角刈りで、特に不良っぽくも真面目っぽくもなく、人ざわりのとてもよい好青年という印象を受けた。
隊長は、生命力にあふれる声で語った。組長辞令をいただけることがどれだけありがたいことか、そして今後も活躍を期待している、と。
隊長と別れたあと、Kに聞いた。「ねえ、役職ってどういうのがあるの?」
「まず、今日シャノンがなった組長が一番下で……」とKは説明し始めた。
わたしが当時いた男子部第1●隊の構成を、男子部長を頂点として、ざっくり表現すると次のとおりだ。
(※下から上に役職が上がっていく)
浅井克衛男子部長
浅井城衛副男子部長
H隊長
支隊長(数名)
支隊副長(各支隊ごとに数名)
班長(各支隊副長ごとに数名)
組長(各班長ごとに数名から数百)
役職なし(各組長ごとに数名から数百)
これ以外にも、隊によっては隊長と支隊長の間に『総支隊長』や『隊幹事』、『総支隊長補』などがいることもある。
顕正会全体としては、会長の浅井先生を頂点として大きく分けると、次の四者にわかれている。
男子部
女子部
壮年部
婦人部
男子部を統括しているのが、先に挙げた浅井克衛男子部長で、その下には浅井城衛副男子部長を始めとした『副男子部長』や『幹事』がいて、それぞれがいくつかの隊をみている。ちなみに浅井克衛氏は先生の長男。浅井城衛氏は先生の次男だ。
Kのこの段階での役職は支隊副長とのことだった。
さらにKは、わたしたちの隊は浅井城衛副男子部長がかつて隊長をつとめていた、先生とも縁の深い隊であることを誇らしげに教えてくれた。
「まあ、シャノンだったらあっという間に班長になれると思うよ」。Kはそう言って話しを締めくくると、昼食を食べてからまた折伏(勧誘)しに行こう、と提案してきた。
その日も友人を折伏し、入信させた。
その後も毎週折伏を実践し、たしかにKの言うとおり、わたしはあっという間に班長になる日を迎える。
(第17話へと続く)
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当ストーリーはファウンダーであるShannonが実際に体験したノンフィクションです。そのため人名等は伏せています。記憶を頼りに書いていますので、万が一記憶違いなどがあった場合、すみやかに訂正します。Shannonは特定の宗教やカルトに現在属していませんし、信仰を勧めているわけでもありません。彼の体験をそのまま語ることが誰かの役に立てば、との思いで書いています。
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